様々な業界で活躍するトップリーダーの方をゲストにお招きし、どのようにトップにまで上り詰めたのかを、リアルな体験をもとに成功の技術を熱く語りつくすラジオ番組、青木仁志のトップリーダーと語る「成功の技術」。第8回放送には、前回に引き続き、南青山アドバイザリーグループCEOの仙石実さんが登場。前回の放送では、お金とは何か、豊かな人生を生きるための秘訣に迫りました。第8回放送の前半では、逆境のなかでどのような考え方をするべきか、選択の質を上げるために必要なことについて伺いました。
コロナ禍で富を築く人とそうでない人の差が開いた
今回は仙石さんがトップリーダーになるまでに経験した挫折や葛藤などの実体験を基に、トップリーダーになるためのヒントを伺えればと思います。
仙石さんは、特に最近でお金に関して感じたエピソードはありますか。
最近だと、コロナという事象が大きなインパクトを与えています。そのなかで、富を築いている人と、そうでない人の差が開いていると感じています。
これは福岡で明太子を売る会社の社長から聞いたお話ですが、コロナ禍のなかで同じ仕事をしていても、巣ごもり需要で売上を益々伸ばしている小売業の店と、お土産屋に依存して苦戦している店があるそうです。これはまさに、事実は一つ、解釈は無数で、コロナをどう捉えたかによって、繁栄と衰退の二極に分かれているということです。
コロナの事象はコントロールできないものですから、そこで自分がどう行動するかによって結果が変わってくると見ています。
私の会社もコロナにより、一時的に売上が減る期間もありましたが、結果的にイノベーションを起こすきっかけにもなりました。オンラインの研修プログラムの開発がそれです。私は、あらゆる逆境には、それと同等かそれ以上の成功の種が隠されていると考えています。変えられないものに対して落ち込むのではなく、それを逆手に取り飛躍のきっかけにすることが大切です。
私も事象や環境に対して、どう対処していくかが、経営者にとって重要な資質だと考えています。その際に重要なのは、まず行動するということです。みなさんリスクについて考えますが、考えるだけでなく、行動していくことが大事です。一歩踏み出すことが、成功する経営者と成功しない経営者の違いだと思います。
いろいろな人と出会い刺激を受けることで『選択の質』が上がる
これは私の会社にいた社員の話です。彼は不動産で独立したいと言ってきました。私が彼に言ったのは、独立するのは応援するが、3年間は準備期間に充てなさいということです。つまり、この3年で不動産業界のトップリーダーにコンサルタントの立場で会いに行き、なぜ成功したのか、逆に苦労した話や挫折した話を聞き、自分のなかで成功への道を明確にしてから独立するべきだということです。結果的に彼は待てずに独立しましたが、業績はあまり伸びませんでした。確かに経済的な豊かさも、努力も尊いですが、もっと大切なのは選択の質だと思います。
仰る通りだと思います。選択の質を上げるためには、情報を取りにいかないといけません。私は第六感的なところを大事にしています。これはいわゆる閃きと呼ばれるものですが、これはいろんな人と出会って、様々な刺激を受けたり、情報をインプットされたりするなかから出てくるものです。インプットした膨大な情報を自分のなかでどう処理をして、いかに最適な選択をするか。この質を上げていくことが重要ですし、成功の秘訣だと思います。
その通りだと思います。いま仙石さんが仰ったことを私は「カンピューター」と言っています。コンピューターはそのなかに入れた情報でパフォーマンスが決まります。しかし、人間には世界最大のスーパーコンピューターを小さくしたものが頭のなかに入っている訳ですから、この頭を使わない手はないですよね。
そう思います。「カンピューター」という言葉いいですね。
閃きは「カンピューター」が生み出すもの。つまりは、クリエイティビティがすごく大事だということです。
そのためには、いろんなところに行き、いろんな人から情報を得ていくことが大切だということですね。そうした行動をしないと選択の質も上がっていかないと思います。
本当にその通りだと思います。
後半・「志という字は士に心と書くように、心が本質だと思います」はこちら▶
仙石 実(せんごく みのる)
南青山アドバイザリーグループCEO
埼玉県出身。2002年、監査法人に入所し、東証一部上場企業等の各種法定監査業務に従事。2013年に南青山FAS株式会社、南青山税理士法人を中心に構成される南青山アドバイザリーグループを設立。上場・非上場を問わず多数の取引先の会計税務支援のみならず、IPO、M&A、事業承継のコンサルティング業務において1000件以上の実績を有する。