「部下が成果を出していくマネジメントに必要なこととはなんですか?」
これまで、数多くの方の研修を担当してきましたが、経営者の方やマネジャーの方からよくいただく質問の一つです。
端的に答えると、
『マネジメントの極意とは、「感じよく」「厳格に」「自分が実行し」「部下の実行を支援する」ことである』。
この4つのポイントに、マネジメントの本質が詰まっていると思います。
一つ目の「感じよく」とは、相手をコントロールしようとする、外的コントロールを使わないということです。
パワハラという言葉があるように、部下をコントロールしようと、一方的な指示命令や詰問をする上司がいます。そうした上司の元では、言うまでも無く部下は育ちません。上司の存在や仕事そのものを嫌いになってしまうからです。
一方的に部下をコントロールしようとせず、嫌な気分にさせない、感じの良いコミュニケーションをすること。これが良いマネジメントをするうえでの基本です。そして、上司と部下の関係のみならず、夫婦関係や親子関係など、全ての人間関係に共通して言えることでしょう。
二つ目の「厳格に」とは、言葉の通り基準高く仕事をするということです。基準には妥協してはいけません。妥協すると、会社そのもののアウトプットのクオリティに影響が出ます。その結果、お客様に迷惑がかってしまいます。組織の基準をしっかりと示し、厳格にその基準を守れるように、指導していく力が求められます。
三つ目の「自分が実行し」とは、誰よりも上司自身が言っていることをやっている、ということです。
部下には厳しく接するが、自分には甘い上司がいます。そうした上司は、言ってしまえば、尊敬されない上司です。尊敬されない人から業務指示を受けたとしても、気持ちがなかなか前に向きません。そのため、部下の尊敬を集められないというのは、マネジメントにおける大きな障害となります。
反対に、部下の尊敬を集められる上司というのは、例外なく「純粋に部下を想い、会社を想い、お客様を想う人としての徳」と「結果を残し続けられる才」があります。その徳と才を高める上で、大切な観点こそが、「自分が言っていることを自分がしっかりやっている」ということなのです。
そして最後の四つ目の「部下の実行を支援する」とは、部下が達成に向かって、自らやるべきことを実行するために仕組みを整えることです。
どれだけ部下が仕事を面白いと感じてくれているのかが、実行力の一番の鍵です。「やらねばならない」という気持ちでは、モチベーションは長く続きません。部下が仕事を常に面白いと感じられるだけの意味付け・意義付けを支援する、楽しむための要素や環境を提供する、具体的な手順や方法を伝えるなど、側面から部下をサポートをするということです。
部下を変えることはできませんので、実行するかどうかは本人の選択です。しかし、最大限に支援することはできます。その協力的な姿勢を示し続け、部下が目の前のことに全力投球をしていく支援をしていきましょう。
良いマネジャーとして、部下の力を引き出し、組織の成果を最大化するための4つのポイントです。
参考にしていただけましたら幸いです。