私は、採用というのは「結婚」であると考えています。
自分が大切にしたいことと同じことを大切にできる、そんな人と結婚ができれば、きっと幸せな人生を送れる。誰しもがそう考えると思います。
では、実際にどうしたらそのような良い結婚ができるのでしょうか。
その一番のポイントはどこかと言うと、結婚してから相手を変えようとせず、結婚する前から価値観の合う人を探すということです。なぜならば、相手を変えることは、そう簡単にはできないからです。共通の価値観を持ち、共通の理想にむけてお互いに最善の努力ができる、そんな人を見つけることに力を入れることが重要なのです。
これは企業における採用活動にも非常に通ずるところがあります。
社員の立場からすれば、自分が大切にしたい価値観と同じ価値観を持つ会社に勤めることができれば、幸せに働くことができるでしょうし、企業側からしても利害関係を超えた本当の信頼で繋がる社員で固まった強い組織を作り上げていくことが可能です。
アチーブメントはおかげさまで、働きがいのある会社ランキングで、6年連続ベストカンパニーに選ばれました。大変うれしい評価ですし、その様に社員が感じてくれていることは私の何よりの誇りです。
しかし、客観的な評価をもとから求めていたわけではありません。何より重視してきたのは、価値観の共感を土台にした組織づくりです。
「自社の事業そのものに、心から共鳴共感し、価値を感じているか?」
そう問われたときに、間違いなくYESだと、確信を持った人材だけを採用するようにしています。確かに、それには沢山の労力がかかります。しかし、そうして採用した人材が企業の未来を切り拓いていくのです。
弊社の幹部を務めている人材は、例外なくそのような価値観共感型の人材です。まだまだ名の知られていない時代に入社してきた社員も多くいます。今のように、上場できる規模に成長するとは誰も思っていなかった時代です。
そのような状況のなかで、彼ら彼女らは、この会社やこの事業を自分ごととして捉え、自分の成長と会社の成長を一致させて努力し続けてきてくれました。会社の理念とビジョンに心から共感しているからこそ、その実現に全力投球をし、今自分が成すべきことを明確に考え、日々研鑽し続けたくれたのです。そのプロセスのなかで、判断力・実行力・リーダーシップが磨かれていき、組織を牽引する立場となり、私の代わりに理念やビジョンを代弁する立場に成長していってくれたのです。
採用活動というのは、一見すると、頭数を入れたほうが組織の発展が早いように感じます。しかし、深いレベルでの価値観の共感共鳴がない人材で作られた組織はいずれ崩れていくのです。反対に理念共感型採用を続けていれば、時間とともに組織の団結がより強固に盤石になっていきます。
短期的な目標達成ではなく、未来永劫反映し続ける組織を作りたいのであれば、なおさら欠かすことのできないポイントです。