昨日は、一日中役員会議・社内会議と実務をこなし、夜は息子と食事を共にし、
その後、弊社の受講生の社会保険労務士の小林秀司さんのご紹介で、
株式会社沖縄教育出版 代表の川畑保夫社長にお目にかかることができた。
川畑社長は、現在、健康関連の事業並びに通販事業を営んでいらっしゃるが、
障害者の方を数多く雇用し、まさに理念経営を実践されている素晴らしい経営者である。
今回、川畑社長とお目にかかり、いろいろお話させていただく中で、たくさんの学びがあった。
是非、今回はそのことを少し皆様にも分かち合いたいと思う。
川畑社長の仰ったことで、非常にインパクトを受けたことがある。
それは「教養とは、思いやりと、優しさの力の深さと広さである」ということだ。
必ずしも高学歴の人間が思いやりがあるとは限らない。
また、人間としての度量があるとは限らない。
真の人間力とは、まさにこの、思いやりと優しさの力の深さと広さだということである。
そして、能力偏重の社会というものはある意味で、その能力が全てとは言えないと。
その能力をカバーするチームワークや組織力こそが経営においては重要であると考えていらっしゃる。
非常に深いテーマだなと思った。
そして、良いドクターはその患者の家族のことも考えると。
つまり、視点・視野・視界という言葉があるが、
良いドクターは、その患者の背景まで全て考えたアドバイスをする。
そして一番大事なことは、生活習慣を変える指導をすることが最も大切なことであると。
また、「経済とは皆が仲良くご飯が食べられる仕組みである」という言葉も大変深い、意味のある言葉だなと思った。
物心共に豊かな人生の実現を通し、多くの人を豊かにしていける仕組みを創造することが経営者の使命であると。
私も全く同感である。
そして損得優先の人生から、人間優先の人生を目指すということが経営において大事なことだと仰っていた。
それは、厳しさがどこから来ているのかということである。
理念経営の目指すところは世界平和である。
いい社会を創れば皆が幸せになる。
だからあくまでも利益優先や儲け主義ではなく、
人を幸せにすることを事業経営の目的に置くということである。
この地球上には、1日1ドル以下で生活している人が10億人いる。
その人達のことまで考え、いかに人を幸せにしていけるかどうか、
環境問題も含めて、そのことを考えなければならない時代が来ているということである。
また、お金は儲け方をみんな学ぶが、一番難しいのは使い方であると仰ってた。
確かにその通りである。
なぜなら私も同感だが、究極は”お金の使い方の中にその人自身の価値観が反映される”からである。
あと大変勉強になったのは、企業経営の中でよく中小企業が後継者問題で、
自分のご子息を入れるケースがあるが、会社には父親と息子の関係は存在しない。
社長と社員の関係しかない。
そこを守り通すことが成功の秘訣であるということである。
また、人間というのは事実と解釈があり、この私達はついこの想像の世界でいろいろなことを判断することが多い。
私も全く同感である。
私は、その人を判断する時に必ずその人の行動をその人の言動の一致の中に、その人を見るということを大事にしているが、
人間というのは虚の世界ではいくらでもいろんな表現ができるけれども、実際に行動は真実であると私自身は考えているからである。
そのことは川畑社長も全く同じような意味合いのことを仰っていた。
そして、非常に学びになったのは、感謝の反対は嫉妬心ということである。
その嫉妬の心が人の人生を駄目にすると。
普通、感謝の反対というのは、感謝のできない心、不平・不満があると捉えがちだが、
その感謝の反対が嫉妬心という捉え方は、非常に私はユニークだというふうに思った。
また、一番理想の理念経営の究極は、理念を全く掲げなくても一人一人の心の中に理念が刻み込まれている組織を創ることである。
一番良い組織は、スローガンがなくても良いものを追求していく。
これが本当の理想の組織であるという考え方は、私自身も深く感じ入るところがあった。
なぜなら私ども会社は理念を明文化し、朝礼でも唱え、様々な仕組みの中に可視化して、
どう社員の意識化に共有できるか、というレベルにあるので、
そういうことをまったくしなくても存在そのものが理念経営ができるというのは我が社にとって次のステージである。
未来工業株式会社という企業は現在250億、経常利益50億をあげているそうだが、
川畑さんから見てこの会社はまさに理念経営そのものということである。
色々お話を聞いてみると、そこには卓越した技術が存在し、
その技術ゆえに高付加価値の経営ができているそうなので、
技術そのものが会社の存在理由になっているのだろう。
経営者が思考が、いかに社員をいかに幸せにできるかというところにあるからこそ、
技術に対する追求がそこにはあるという捉え方をさせていただいたが、
この捉え方が正しいかどうかは次回お目にかかった時に確認させていただきたいと思っている。
川畑さんの会社は自己資本率が94%ということで、
そして非常にユニークなのは月曜日と金曜日は3時間の朝礼をされているということだ。
火、水、木は40分の朝礼を行うそうだ。そして全社員が朝の7時台に出勤を終えている。
会社の中は本当に仲がよく、遅刻は1人もいない。そしてイキイキと笑いの耐えない会社であり、
この朝礼はIBMをはじめ様々な会社が見学にきているそうだ。
私もぜひうちの幹部を連れてこの朝礼を沖縄まで見に行ってみたいと思ったしだいである。
正しいことを正しくやれば必ず結果がでる。
この正しさの基準が原理原則に沿っている時に必ず繁栄に向かうという言葉は、私自身もその通りだと思っている。
そして非常に印象に残ったのが、「仕事は総合芸術である」という川畑さんの言葉だ。
川畑社長はガンを体験し、そこから多くの学びがあったそうだ。
恐れに生きることなく、愛に生きることを学んだということである。
10人の障害者と共に福祉センターやお寺のような企業体を目指し、高収益経営を実現している。
このことは実績として本当に大きなものがあると思った次第である。
また、非常にユニークだったのは「恩返しを考えてはいけない、恩送りが大事である」という考え方だ。
恩返しというのは義理人情の世界であり、義理人情の世界はヤクザの世界である。
義理人情ではなく社会に自分が受けた恩を返していく。
つまりもっと大きな意味で社会に貢献していく生き方を目指すことが大事であると。
このことも非常に深い意味がある。
究極の愛は慈愛である。
損得は人間のものさしであり、その上の世界を目指すことが大切だ。
川畑さんの会社はすずめの学校ではなく、めだかの学校を目指しているそうだ。
つまり、歌にあるように「誰がが生徒か先生か」みんなが先生であり、みんなが生徒である。そういう横一列の学びあう経営を目指しているそうだ。
覇道経営でもない王道経営でもない、
「和道経営」という和の道を目指す全体参加型の経営を目指しているそうだ。
役職も部長や課長という表現ではなく、世話人とか大世話人といった表現を使っているそうだ。
社内は「さん付け」で呼び合ういい組織だと聞いて、
私もその仕組みは学ぶに値すると感じた。
なぜならば上の立場にある人間は役職で呼ばれることによって、
力の欲求が満たされるかもしれないが、
一番末端の社員から見ると役職で呼ぶよりも「さん付け」で呼ぶほうが、
より緊張も解け、コミュニケーションも円滑になる。
コミュニケーションを主体に考えたとき、その経営は非常に望ましい1つの形だと感じた。
「リーダーは引っ張っていく人間ではなく、みんなのお世話役である。
そして真の経営者はみんなのお世話、社会のお世話をしながら、
社会に生かされ、本当の意味で高収益の企業をつくりあげていくことが
経営者の使命である」という言葉は、私の人生において非常にいろいろな気づきが与えられた。
本当に多くの学びがあった、大感謝の出会いであった。
川畑社長ありがとうございます。