機中で”おくりびと”を観て感動した

今ニューヨークに向かう機中にいる。
機中で、第32回モントリオール世界映画祭グランプリ受賞作品で、さらに先日、アカデミー賞を受賞したばかりの邦画“おくりびと”を観た。
素晴らしい映画であった。
本木雅弘さんが演ずる納棺師という仕事。
まさに事実は一つ、解釈は無数である。
遺体を化粧し納棺する職業は捉え方によっては忌み、嫌われる職業でもあろう。
時には、死後何日も経過した遺体の処理をすることもある、大変な仕事である。
また、いろいろな死に際に出逢う職業でもある。
映画では、親族の死に直面した時の家族の生々しい感情のぶつかり合いが非常にリアルに描かれていた。
そして、この映画のクライマックスで、主人公は自分と家族を捨てた父親の死に直面し、死に化粧をすることになる。
家族を捨てて30年、流れ着いた漁師町で父親は一人寂しく死んでいった。
残されたものはたった一つの段ボールだけ。
最後に、主人公の本木さんが子どもの頃渡した、小さな小石を父親は握りしめながら死んでいった。
家族を幸せにしたくても幸せに出来ない男の哀愁が漂っていた。
感慨深いものがあった。
私も子どもの頃、家庭の事情で随分寂しい思いをしたので、主人公の気持ちに共感した。
死を通して見える、愛すること生きること。
素晴らしい映画であった。
良く考えてみれば、人間は生まれてくる時も、助産婦さんや産婦人科医の力を借りて生まれてきて、
死んで旅立つ時も人の力を借りて納棺してもらったり、葬儀をしてもらっている。
決して一人で生きているのではない。
世の中には人が嫌がる仕事でも、人に必要とされる尊い職業がある。
その仕事に意義や意味づけが出来た時に、一生の仕事に変わる。
深いテーマであった。
現代社会には、いろいろな職業があるが、成功するためには、その職業に対して社会的意義を見出し、
誇りを持てるようになる必要があると思う。
そして、自分が選択した職業に誇りが持てるような働き方が出来なければ、何をやっても、ものにはならないと思う。
振り返ると、私も最初から何でも出来たタイプではないし、不器用なところも多々あった人間である。
唯、与えられた仕事に対しては、誠心誠意取り組んできたと思う。
その心が道を開くことになったと思っている。
まず役割に対して、真剣に取り組むことが大切である。
真剣に本気で取り組めば、おのずと道は開かれるということをこの映画で再確認することができた。
人の死に直面する仕事。
人生や職業について深く考えさせられる良い映画であった。

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