「お金がないのが問題ではない。アイデアがないことが問題である」
私は研修や講演の中でこのようにメッセージすることがある。
不況下でも、全体の30%の企業は成長しているというデータがある。
業界全体が右肩下がりであっても、アイデアで売上を伸ばす企業がある。
例えば、雑誌という媒体は、全体として売上が下がっているが、人気ブランドとタイアップした豪華な付録をつけた雑誌がヒットしている。
文房具も成熟市場ではあるが、消せるボールペン「フリクション」は全世界で4億本以上売れた。
顧客が何を求めているのか、そしてそこに自分たちが何を提供できるのか。
「お金は偉大なアイデアに集まる」のである。
講演の中のたとえ話で、ガラスのコップを見せることがある。
「これは何ですか」と聞くと、お客様は「コップです」と答える。
しかし、私がペンを取り出してコップに入れ、「実はこれはペン立てなんです」と言うと、
少々あっけに取られながらも納得いただける。
事実は「ガラスで出来た、内側が凹んだ形をしたもの」であり、考え方によっては色々な用途がある。
同じように、会社にある資産は、見方を変えれば、全く違った活用法があるかもしれないし、ちょっとした工夫で大きな付加価値を生み出すかもしれないのだ。
お客様は何を求めているのか。これを常によく観察し、考えることが重要である。