様々な業界で活躍するトップリーダーの方をゲストにお招きし、どのようにトップにまで上り詰めたのかを、リアルな体験をもとに成功の技術を熱く語りつくすラジオ番組、青木仁志のトップリーダーと語る「成功の技術」。第2回放送には、前回に続き、日本青年会議所(JC)第71代会頭の中島土さんが登場。前回の放送では、内側からの動機づけで3万人の会員をまとめ上げていることを伺いました。第2回放送の後半では、奉仕活動に喜びを感じられるようになったきっかけ、これからの社会に求められるものについて伺いました。
奉仕活動の喜びに気づいた、被災地への復興支援
モチベーションという言葉について、私は思うことがあります。従来は人を「やる気にさせる」という考え方でした。しかし、人はやる気にさせられるものではなく、個人差はあれど、人は「もともとやる気になっている」のだと考えるようになりました。そういう意味では、JCで活動している人は、自己中心的な利己的な心ではなく、利他的な心を持ち、社会を良くしようというところにやる気を出しているのだと感じています。
仰っていただいた通りだと私も思います。
衣食足りて礼節を知るという言葉もありますが、結果的に人のためにと思ってやっていたことが、回りまわって自分に返ってくることもあるかと思います。中島さんは、そのような体験はありますか。
JCに入会して2年目の2013年に、私のふるさとの大分県で豪雨災害がありました。そこで、JCのメンバーで復旧・復興活動に行くことになったのですが、私はそれまでそういった活動をしたことが全くなくてですね。
そうでしたか。意外です。
最初に行くと言われたとき、正直、大変そうだなという気持ちが出てしまいました。ですが、実際に現地に行き活動をするなかで、JCの活動に涙を流しながら「ありがとう」と感謝してくださる方がいらっしゃいました。そのときに、人の役に立てる喜びが心のなかから自然と湧き上がってきたのです。
体験・体感したということですね。
はい。それからJCの活動のなかで、人様のお役に立つことをすれば巡り巡って、自分に社会・経済という枠組みの中で返ってくることを実感するようになりました。
これからの社会に最も求められるものは利他主義
私は「行為は感情に先行する」という言葉を大事にしています。自分がこれをやったら相手が喜んでくれるかなと思ったらまずはやってみることです。すると、不思議と良い関係になるものです。なので、したいからするというよりも、体験・体感することで自分の器が大きくなることがあるのだと、お話を聞いて感じました。中島さんも最初は奉仕などしたくなかった訳ですよね。
ええ。恥ずかしいお話ですが。
やはり人は変わるということでしょうね。中島さんは、自分の人生設計として将来はどんなことを目指していますか。
自分の人生の理念・目的が、「ともに幸せに生きる」です。これまで12年間JCに捧げてきましたので、支えてくれた家族やふるさと、社員のみなさんのために社業を一生懸命頑張ろうと思っています。
素晴らしいですね。私が大切にしている生き方が「インサイドアウト」です。そして、まずは自分を確立し、家族を大切にし、社員を大切にし、地域社会に貢献をするというように、自分の器を拡張していくことを大切にしています。自分の人生を考えたときに、器の拡張というのは利己から少しずつ利他に移行してきたと感じています。
フランスの思想家のジャック・アタリさんと対談をさせてもらいましたが、全く同じことを仰っていました。これからの社会に最も求められるものは利他主義だと。やはり、トップの経営者や思想家の方は、思想の根底が繋がっていると思いました。
ありがとうございます。今回、指導者にとって大切な価値観に触れられましたし、非常に器を感じるメッセージでした。やはり、3万人のトップに立つ人は考え方が利他的だと感じました。これからの人生も応援しております。
まさに愛に溢れた方だというのが2週に渡り伝わってきました。ありがとうございました。
前編「本当の指導者は人生の目的とありたい社会の姿が合致している」はこちら▶
中島 土(なかしま つち)
公益社団法人 日本青年会議所 第71代会頭
ジェイリース株式会社 代表取締役社長兼 COO
大分県出身。中央大学を卒業後、大手信販会社などを経て、2012年にジェイリース株式会社へ入社。2011年に青年会議所へ入会し、総務委員会委員長や理事長、特別顧問などを歴任。2022年1月1日から同年12月31日まで日本青年会議所の第71代会頭を務める。