1億5千万円の不良在庫をメイン商品に昇華させた「苦境をチャンスにかえる力」とは

今日までの3日間、経営者を対象とした『頂点への道』講座アチーブメントテクノロジーコース特別講座41期の講師を務めた。

今回も280名を超える経営者が参加してくれ、経営理念から利益までの一貫性をどのように通しきるのか、売上50億円、経常利益15億円に至った経営のマインド・スキル・ノウハウを等身大で伝えた。

昨今、政府系金融機関によるコロナに関する融資の返済が本格的に始まるなど、経営者にとっては激動の時代を迎えている。

私自身、創業してからの36年間を思い起こすと、酸いも甘いも様々なことを経験したが、最も資金面で苦しかったのは、創業して3年目に開発した横綱千代の富士の能力開発プログラムが全く売れず、3000セット・1億5,000万円の不良在庫を抱えたときだろう。

当時、月間売上1,000万円ほどだったが、毎月300~400万円の手形の返済をしなければならなかった。返済日にお金が足りず、娘の出産費用を返済に充てるしかなく、出産費用は妻のご両親が結婚祝いとして補填してくださるという経験もした。

そのような資金状態から、どのように脱したのか。生き残りをかけて、本気で経営に打ち込んでいる方に向けて、脱する秘訣を私なりに綴ろうと思う。

当時を振り返って、私が苦境を脱することができた理由は『倒産してしまうかもしれないとは微塵も考えず、どうすれば生き残れるかを考え続けたこと。そして、結果的に合成的創造力が働き、まさに、「災い転じて福となす」で不良在庫をメイン商品に昇華することができたから』だと考える。

合成的創造力とは、既にあるものを組み合わせて、新たなものを生み出す力であり、
世の中の多くの商品・サービスはこの力を活用し、生み出されている。

たとえば、ラジカセは、ラジオとカセットテープを組み合わせることで生まれ、
iPhoneは、音楽プレイヤーと携帯電話を組み合わせることで生まれた。

在庫を抱えていた当時、人材教育の業界は、教材は売りっぱなし、研修はやりっぱなしが当たり前だった。しかし、受講生に学んでもらうことがゴールではなく、成功の技術を習得してもらい、経済的にも精神的にも豊かな人生を送っていただくことがゴールであるべきだと考え、私は教材を販売するモデルから、研修を継続的に提供するモデルへと移行した。

具体的には、不良在庫となった「横綱千代の富士の能力開発プログラム」に、世界的に有名な手帳会社であるデイタイマー社の「手帳」と、私の「講師力」をかけあわせて研修を始めたのである。

手帳を組み合わせることで、お客様は学びを日々の実践まで支援できるようになり、また、私のトップセールスマンとして培ってきた講師力によって、教材にさらなる付加価値をつけて提供することができた。

初回開催の研修参加者は5名であったが、結果的に成果のでる研修として口コミ・ご紹介をいただけるようになり、32年間、1000回以上開催され続け、5万人以上の方が受講いただいた弊社のメインシンボリックセミナーである『頂点への道』講座へと育っていった。

どん底にいるときは、暗いトンネルの中を歩いている気持ちになり、光が見えないかもしれない。
しかし、逆境は成功の前奏曲である。
私は、苦境を乗り越えた経験こそが成功の糧になると確信している。

苦境に立たされているときこそ、お客様の視点に立ち、お客様にさらなる価値を提供するためには何ができるのかを考え抜くこと。
その過程で、合成的創造力は発揮され、苦境を脱するアイディアが生まれる。

ぜひ、とことん考え抜き、「あの時があったからこそ今がある」といえる現実をつくりだしていただきたい。

中小企業経営者のための
高収益企業を実現する
2つのポイント

売上56億円、経常利益18億円、従業員200名の企業体を実現した経営手法を2つのポイントから解説します。

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