経営やマネジメントの相談を受ける際に、
「外的コントロールを使わないように意識すると、
つい部下を甘やかしてしまいそうになります」という悩みを聞くことがあります。
今日はこのテーマについて少しお話したいと思います。
たしかに、選択理論を学んでまだ間もない方にとって見れば、
外的コントロールをやめるというのは、いうべきことが言えなくなってしまい、
甘やかすことに繋がると感じられるのかも知れません。
※外的コントロールに基づくマネジメントの弊害についてはこちらを御覧ください
2022年01月18日 良いマネジメントの土台は例外なく「信頼関係」である。
しかし、本来は真逆です。
「甘え」とは、人間関係が表面的な場合に起こるものです。
お互いが何を求めているのか深く理解していないために、
お互いが嫌われないようにと、当たり障りのないコミュニケーションを取ります。
やるべきことをやってもらおうと深く踏み込むことに、
遠慮が生まれているのです。関係性が表面的なのです。
選択理論は全くそうではありません。
選択理論で言われていることは、人は自らの願望に動機づけられており、
願望と現状を比較したときに発生するギャップを埋めようと行動をするということです。
つまりマネジメントとは、部下の願望に焦点を当て、
その願望を深く知ること・明確化する支援を行うことから始まります。
そして、願望を叶えるために目の前の仕事はどのような意味を持つかをともに考え、
果たすべき基準を示していきます。
部下から見たときに、手にしたい願望と現状、そしてギャップと取るべき行動が
明確にわかっている状態を創り出してあげることです。
上司が明確な基準を示したり、指導したりすることは、明確な願望を持つ部下からすれば
願望実現のサポートになります。これが主体的な組織文化の原点です。
「甘え」を許してしまう上司は、極端な話、
部下の願望実現に対してこだわりがない人です。
部下がどうしても手にしたいと思い描く願望を知れば知るほど、
甘やかすことはなくなるはずです。
部下の願望を知っているか?
それを叶えるための支援がどれくらい出来ているのか?
ぜひ自問自答し、より良いマネジメントを追求していきましょう。