どんな状況下でも発展をし続け、圧倒的な成果を出していく強固な組織をつくる。
そのために経営者が取り組むべきことの本質を3つの質問を通してお伝えしてまいります。
前回は「あなたに「惚れ込んでいる」社員は何人いるのか?」をお伝えしました。
「どんなことがあってもあなたと働きたい」とそう思ってもらえることが、組織の求心力となります。
今回は、経営者がそのような人格を身につけるために、大切にすべきことをお伝えします。
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【質問3】
組織のなかで、経営者自身が最も成長している存在か?
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社員は幹部の姿を見て育ちます。では幹部はどうかというと、経営者の姿を見て育ちます。経営者の持つ器以上の人が組織で育つことはありません。もし育ったとしても、組織のレベルが自分に合わないと感じて独立してしまうことでしょう。何が言いたいかというと、経営者自身が成長し続けなければ、幹部や社員のレベルが上っていくことはないのです。
特に幹部育成で言うと、先程もお伝えしたように「理念に対する絶対的な共感と確信」を持つ人を選んでいく必要があります。そのレベルを高めていくには、経営者自身が誰よりも自社の理念から一貫した事業活動に対する確信を持つ必要があります。
これまでたくさんの経営者の方と交流をしてきました。なかには経営者でいながら、自社の事業をただのお金儲けだと考えていたり、自分の都合で社員をうまく言いくるめて働かせる考え方を持っていたりする方も少なからずいらっしゃいました。正直な本音として、そうして右往左往している経営者のもとで働く社員がかわいそうです。
大切な人生の時間と命を注ぎ込んで働いてくれる社員がいるのであれば、経営者はなんとしても、事業を通して社員たちを幸せにできる方法を考える必要があるのです。
社員・顧客・社会にとって良い、三方良しの経営を追求した先に、多くの人に必要とされる会社になっていきます。そこから、絶対的な事業への確信が生まれます。
損得を超えた、人を幸せに導きたい、世の中を良くしたいという純粋な動機が生まれるのです。その「人の役に立ちたい」という純粋な動機こそが、社員の心を動かし、顧客の心を動かし、関連組織や地域、社会を動かしていく原動力になるのです。
会社の未来を問われたときに、誰よりも確信を持って「絶対に発展し続ける。なぜならお客様に、社会に求められているからだ!」と力強く伝えられて、なぜそうなのかを具体的に説明できること。
これを指し示すことが、経営者の役割なのです。もしそれが明確化されていないとすれば、明確化するために最大限の努力をしていきましょう。経営者以上に、その組織の未来を描ける人はいません。誰よりも確信を持って、上を目指して、前進していきましょう。その後ろ姿に、幹部が一人また一人と、心を動かされ、主体性が身につき、育っていくのです。思考のなかに描いている未来を、ぜひ具体的な実践・実行を通して現実化していってください。
ぜひ参考にしていただけましたら幸いです。