先日、ユニセフ(国連児童基金)が経済協力開発機構(OECD)または欧州連合(EU)に加盟する38ヵ国の子どもの「身体的健康」「精神的幸福度」「スキル」の3分野のランキングを発表した。日本は身体的健康は38ヵ国中1位なのに対して、精神的幸福度は37位であった。精神的幸福度は15歳時点での生活満足度が高い子どもの割合や、若者の自殺率などから算出されている。日本の評価としては、「家族からのサポートがより少ない子どもたち、いじめに遭っている子どもたちは、精神的健康がより低い結果になった」とのことだ。日本の若年層の死因No.1が自殺であることからも納得してしまう結果である。
スキル分野では38ヵ国中27位という結果となっており、読解力や数学分野の学力では平均を上回っているものの、「すぐに友達ができる」と答えた子どもの割合は平均を下回っている。
これらの結果は、両親の深い愛情と質の高い教育を受けて育てられていないことによって、幼少期に自己愛が育まれていなかったことが現象化したものである。子どもにとっての環境は両親と学校の先生だ。現在、主流になってしまっている偏差値を重視した、受験競争に勝つための教育も相まって、子どもの自己肯定感が低くなってしまっている。
親や教員が、成績が良いから褒めるであったり、宿題に取り組んだから褒める、志望校に合格したから褒めるという条件付きの愛ではなく、子ども達の存在そのものを認め、無条件の愛を子ども達に与えていくことが必要である。親が子どもに与えられる最大のギフトは「命」だが、その次は「自己愛」だ。自己愛があるということは、自分を大切にできるということであり、さらに自分を愛せる人は他人も愛することができ、良好な人間関係を築くことができる。「すぐに友達ができる」と答えた子どもの割合は平均が下回っているという事実は、子ども達の自己愛を育む関わりを教員や親ができていないことが根本的な原因だ。
親御さん向けに、選択理論心理学を土台にした子育てについての本もアチーブメント出版から出しています。教員の方にも読んでいただきたい本です。私も、親や教員の教育に力を入れていこうと思っています。将来の社会を担う子ども達に良い教育を届けられるように取り組んでいきます。