私はこれまで5,000名を超える中小企業経営者教育に従事してきましたが、中小企業には技術力・商品力か営業力のどちらかが求められていると、私は考えています。もちろん、両方あれば鬼に金棒ではありますが、どちらも秀でている会社はそうそうありません。ただし、ここで大切なことは技術力・商品力がなければ営業に苦労することになるということです。逆説的に言うと、商品力が高ければ高いほど、営業力は必要無くなります。
例えば、電気自動車を販売しているテスラは、ディーラー、直接販売を廃止し、全販売をオンライン化したそうです。これはテスラの高い技術力・商品力があるので、プッシュ型の営業をする必要がないことによって実現したことです。経営とは、つくって・売って・管理することであり、最も上流工程である、つくること、商品開発は経営の要となります。
商品を開発する際に大切なことは、社会のニーズに応えることのでき、時流にあっているものは何かを考えることです。弊社のご受講生でもある山本英明さんが経営するヤマモトホールディングス株式会社は、新型コロナウイルスが感染拡大する中、売上が前年比より450%UPしたそうです。コロナ前は塗装を中心にしたリフォーム業を展開していましたが、コロナ後は塗料開発技術を応用して「Dir.ハドラス」という除菌剤とコーティング剤を開発し、さらには噴霧のノウハウを活かし、除菌清掃とコーティングを組み合わせ代理店展開を行った結果、手にする事の出来た繁栄だそうです。
既にあるものを組み合わせることで、新たなものを生み出す力のことを、合成的想像力と言います。一方で、完全にゼロからイチを作る力を独創的想像力と言います。これは天から才を与えられた人が持つものですが、商品開発は才能とは関係のない合成的想像力だけでできます。新たな価値を生み出すことは誰にでも可能です。
私も、自分は独創的想像力のタイプではなく、合成的想像力のタイプだと自己評価しています。28年毎月連続700回開催をしたアチーブメントのメインシンボリックセミナーである『頂点への道』講座も、既存の教材+デイタイマー社の手帳+講師力を合成されてできたのが始まりです。山本社長も合成的想像力を発揮して上述の結果を創り出しています。
是非、皆さんもコロナウイルスなど外的要因に悲観することなく、社会が求めているもの、手にしたいと思っているものは何かを考えてみていただきたいです。自社の商品力を高めるチャンスがきています。共に合成的想像力を発揮し、価値ある商品を開発・提供することで、社会に貢献してまいりましょう。