私の仕事は能力開発のコンサルタントであるが、よく聞かれる質問がある。
「どうしたらモチベーションを高く維持できるのですか?」と言う質問である。
そこで今回は私が学んでいる選択理論について話をしてみたい。
この理論は米国の精神科医ウィリアムグラッサー博士が提唱しているものだが、
私はこの考えを18年以上日本に様々な形で広めてきた。
先ずモチベーションというものは人から与えられるものではない。
私たちの中にすでに内在しているものである。
モチベーションの第一の要素は遺伝子であり、
生まれてから死ぬまで
私たちは遺伝子に組み込まれたプログラムで動かされる。
心臓の鼓動も自分の意志ではコントロールできない。
生存の欲求によって動かされている。
その他は心理的な欲求があり、これは愛、力、自由、楽しみの4つの欲求である。
そして第二の要素は、
この欲求を効果的に満たせると思われる
人や物や理想や価値観の入っている特別な記憶の世界がある、
その世界は専門用語では上質世界と呼ばれている。
上質世界と呼ばれる理由はその世界に我々の求めるものがあるからである。
一般的には願望と覚えておいてもよいだろう。
人は生まれてから死ぬまでこの上質世界にあるものを求めて行動している。
先ほども述べたように、人は内発的に動機付けられている存在であり、
モチベーションは与えられるものではない。
モチベーションの第三の要素は苦痛から快感への移行である。
人は苦痛感情から逃れるために様々な行動を選択しているが、あらゆる行動には目的がある。
我々は常に自分の目的や理想や夢を実現しようとして頭で考えているイメージ世界と
実際に存在している世界を一致させようとして行動を選択している。
得られれば快感、得られなければ苦痛を感じて快感を求めて行動し続ける。
努力しても得られないと思うと、落ち込みや鬱を選択するときもある。
一般的にパッションダウンといわれる状態も
一種のあきらめに近い感情や逆に願望を張り替えられないために満足してしまい
モチベーションが今一かからないといわれる状態であろう。
このようにモチベーションは自分の求めるものに対して、
願望を明確にすることによって高まっていき、
それを現実に一致できると確信すれば更に最善の努力ができるということである。
私は若い時から、明確な目的目標に向かって自分を駆り立ててきた。
人からいわれて何かを行うよりも自分から最善を求めて実行してきたタイプである。
モチベーションは自分で高めていくものである。
生きる目的に対して明確な目標をもち、
最善を尽くしていけば必ず良い人生を送ることが出来るものだ。
モチベーションを高める秘訣は
1)自分の願望を書き出してみる
2)「本当にしたいこと」と「それほどでもないもの」に分類する
3)更に現実的に達成可能なことと非現実的なものに区分する
4)現実的な目標に対して達成期日を入れる
5)達成のために具体的で綿密な行動計画を立てる
6)毎日、30分から1時間、目標達成について逆算して考える時間を取る
7)目標達成の優先順位に基づいて日々実行する
8)成功するまで続ける
このステップでやってみるとモチベーションの高い状態を持続することを実感していただけることだろう。
ぜひ実践してみていただきたい。
(選択理論心理学の詳細に関してはhttp://www.achievement.co.jp/logic/をご覧下さい。)