長年トレーナーとして活動していると、たくさんのお客様に触れる機会がある。
最近、私がお客様から伺ったり、私が体験したことで気づきがあったのでシェアしたい。
先日、スタンダードコースにあるお客様がご参加くださった。
経営者として、事業は大きな成功を収められている方である。
その方から、このようなご報告をいただいた。
その方は、実は二十数年間も父親と口を聞いたことがなかったという。
しかし、講座の中で私が口にした、「どんな親でも、親は親なんです」という言葉に気づきを得て、実家に帰り、二十数年ぶりに話をし、これまでのことを謝ったそうだ。
その方の行動に、お父様は声を上げて泣かれたそうである。
そして、そのことを奥様にも話したところ、奥様も泣かれたという。
奥様も、自分の夫と、夫の父の確執の間で苦しんでいたのだ。
選択理論の提唱者であるグラッサー博士は、
大切にしたい人間関係、私たちが重要と思う人間関係がうまくいかないことに、
不幸の最大の要因があると述べている。
私たちが大切にしたい人間関係とは、ほとんどの場合、肉親や配偶者など、ごく身近な関係である。
この経営者の方が、自ら気づきを得て、勇気を出して、
本当に大切にすべき人間関係を回復に導かれたことに心から敬意を評したい。
実は私も、幼少期は、義理の母に厳しい訓練を受けた。
当時は大変辛かったが、義母の訓練が私の今の礎を作っているし、何よりも、育ててくれたからこそ今ここにいることができているのであり、今では感謝の気持ちを持つことができている。
先日電話をした時に聞いたのだが、義母は、私が最初に家出をした時に書き残した手紙を、ボロボロになった今でも持っているのだという。
私が15歳の時のことである。
義母も様々な葛藤と向き合いながら、
連れ子の私を愛してくれていたのだということを感じ、涙が溢れてきた。
私は「もっと親孝行するから、残りの人生を楽しく生きて欲しい」と伝えた。
義母も涙を流して喜んでくれた。
人生における本当の幸せに必要なことや、悔いのない人生に必要なこととは、このようなことではないかと私は思う。
もし身近な人間関係に葛藤を抱えている方がいらっしゃれば、ぜひ選択理論を学んでいただきたい。選択理論には本当に価値がある。
我々も力になりたいと願っているので、我々に力になれることがあればいつでもご連絡いただきたい。