経営者とは、その組織のなかで最も組織の存在理由を体現し、最も会社の未来を考えている存在です。
しかし、それと同時に一人の人間でもあります。
ときには迷うことも、葛藤することも多々あるでしょう。
そんなときに何を考え、どのように行動すべきなのか。
私は、その答えは、誰のために何のためになぜ、その会社を経営しているのか、という目的の中にあると考えています。すなわち企業理念です。
縁ある人を幸せに導くこと。
それが経営の目的であると私は定義していますが、更に紐解くと、「社員」「顧客」「社会」といった対象者を具体的に定義することができます。
目的を果たすとは、その誰をも負かせない選択をすることです。
儲かりそうな話や、良さそうな話、得しそうな話は湧いて出てきます。
社員からの提案でもらうこともあるかも知れません。断りづらいシチュエーションもあるでしょう。そんなときに経営者が貫くべきことこそが、縁ある人を誰も負かせない選択です。
選ぼうとしてい道が、三方良しの理念に基づいるか?
判断基準はこれです。
基づいているならば、何も迷う必要はありません。
縁ある人に対して、社会に対して、本気で真心を持って経営をしている限り、何も遠慮をする必要はありません。自分の考えを信じてください。
例えば、私は2019年に毎月連続700回開催を達成した『頂点への道』講座 スタンダードコースの講師として28年間毎月登壇し続けてきましたが、2日間の開催から3日間の開催へと変更したタイミングがありました。
そのとき、社員を含めて周囲からたくさんの反対意見をもらいました。
しかし、それが最もお客様のためになると確信がありました。情報量があまりにも多いため、2日間に詰め込むよりも、3日間かけてじっくりと学んでいただいたほうが確実に技術体得には効果的だからです。
そして、その技術体得によって、本当の顧客満足が生まれ、良い口コミが広がり、受講生が増えていく。結果として社員を勝たせることができる。それが社会の発展にも必ずつながっていきます。
だからこそ、信じて貫き通してきました。
その結果、今のお客様の満足と、弊社の発展があります。
このような事例は枚挙に暇がありません。経営者が気にすべきは、他人の目や評価などではありません。気にすべきは、その判断が三方良しであるかどうか、企業理念に則っているかどうかです。本質を見続け、環境の変化からチャンスを掴み、企業の発展を共につくり出しましょう。