今回、入社11年目の中野銀次郎君と
弊社の子会社であるアチーブメントダイニング株式会社の経営する高輪台フェリーチェで昼食を共にする機会があった。
彼は長年のキャリアを活かして現在トレーナーとして
活躍している。
中野銀次郎君は、もともとスキーのモーグルという競技で、
全日本のチャンピオンとなり、
全日本のコーチも担当していたというキャリアの持ち主で、全日本スキー連盟においては、かなり著名な存在である。
スキー雑誌のスキージャーナルや他のスキー専門誌にも取り上げられ、日本のモーグル界の草分け的な存在といっても良い人物である。
彼と私は11年前に出会い、弊社に入社を決意してくれたが、
当時のアチーブメントは社員20名程度の小さな会社であった。そのような小さな会社に彼は入社して来てくれた。
営業、総務、経理など様々な部署を経験し、
それこそ決算のときには三日三晩徹夜して仕事を終わらせるなど、
中野銀次郎君は、アチーブメントという会社にとって、
なくてはならない存在として、会社を支えてくれた人物である。
その彼が、トレーナーとして第一線で活躍していることは、
仲間みんなの喜びである。
もともと、彼がここまで色々な葛藤を経験しながらも
その葛藤を乗り越え、継続し、トレーナーになるという目標を達成できた秘訣はどこにあるのか。
先日昼食を一緒にとりながらいろいろ話をしてみたが、
その中で気づいたのが、彼自身の自分に対する高い自己概念である。
"自分はできるという思い込み"が彼の目標達成の本質にある力であった。
過去スキーの全日本のチャンピオンになり、
モーグルという分野のスペシャリストとして、
自分の人生を切り開いてきたという実体験は彼の大きな財産であった。
そして、もっと遡ると、
彼の曽祖父が中野金次郎という名で日本通運の
創業者お一人であり、彼の父も素晴らしい教育を受けた、
高い自己概念の持ち主であったということである。
彼自身もしっかりとした教育を受け、
その高い自己概念ゆえに、スキーの道で
プロの道に入ったということである。
そのキャリアを聞いて、私は彼を支えているのは、
自分に対する自信、つまり、「できる」という
親から受け継いだ思い込みであると思った。
自分という人間に対して、最後の最後まで
信じていけるそういう強さが彼の中にあるということを
今回再確認することができた。
そして、スポーツの分野でも、
彼が言ったことだが、モーグルの世界でも"もうちょっと"辛抱すれば、
大きな花を咲かすことができるのに、小さな怪我で挫折をしたり、
人間関係で挫折をしたり、結果的に自分の可能性を
大きく開花できずに終わってしまう仲間が
たくさんいたということである。
最後の最後は、やはりまさに辛抱する木に花が咲くのである。
自分自身トレーナーになりたいという思いをもって、
そして、その思いにむかって着実に努力し続けてきた
中野くんに本当にこれから、大きく期待をしている。
先日行われた、弊社顧問の阿部洋己先生と、
友人でもある株式会社フォーバルの大久保秀夫会長の
出版記念パーティーで、現在のキリンビバレッジの前田仁社長が
おっしゃっていたことを中野君と話しながら思い出した。
前田社長の言葉で、
「今やっていることに幸せを感じられる人生が幸せな人生である」
という言葉があった。これはとても深い一言である。
そしてさらに、「与えられた仕事を楽しむことが大切である」
ともおっしゃった。
与えられたことを完遂すること。
ここに組織人としての成功者の姿があるのである。
自分のしたいこと、自分のやりたいことだけにフォーカスし、
葛藤の中でだめになっていく若い人が多い中、
自分でも気がついていない良いところを
上の人は見てくれているかもしれない。
だから、組織人として上司からの期待に応えられるように
与えられた仕事を全うしていく。
このことが大切だと前田さんはおっしゃった。
与えられた仕事をやりきって人は成長するのである。
私自身もまったく同感であった。
中野くんのキャリアを振り返ってみると、
華やかではないかも知れないが、堅実で地道なキャリアであり、
一歩ずつ着実に会社と共に発展していくキャリアであった。
そして家族を守り、仲間を守り、
自分に縁あるお客様に対して誠実さを突き通していく。
そんな人生こそ、ビジネスマンとして立派な
生涯であると私自身確信をもった次第である。
今後の彼の更なる飛躍に期待したい。
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