横浜マリノスの嘉悦社長の講演に感動

先日、横浜マリノス株式会社 代表取締役社長の嘉悦朗氏を講師に迎え、
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社長会を開催させていただいた。

潰れかけとまで言われた日産自動車が、
今ではトヨタを超える営業利益を出すまでに
見事な復活を遂げた裏にある組織変革と、
その具体的メソッドであるCFT(クロス・ファンクショナル・チーム)
についてお話いただいた、大変学びの多い、
有意義な時間であった。


CFTは部署を超えて経営課題を解決するためのチームの仕組みである。
トップに責任者、次に推進役を置き、
その下に実際にアイデアを出したり、実施や進捗管理を行うクルーが置かれる。

こう書いてしまうと、非常に簡単に見えるが、
その導入の裏にはいくつかのポイントがある。

まずは、経営者の不退転の決意があった。

日産はNRP(日産・リバイバル・プラン)として復活のシナリオを掲げ、
カルロス・ゴーン社長が、報道陣のカメラの前で、
NRPにある目標を一つでも達成できなければ、
ここにいる経営陣全員が退くと宣言した。

確かな勝算と、経営陣全員のコンセンサスという裏付けがあっての大胆な決意表明であり、
経営陣は「ゴーン社長が言い切ったなら間違いない、必ず出来る」と確信を持ち、
現場社員は「経営陣があそこまで言うなら今回は本気だ」と火がついたのである。

この強烈なリーダーシップが、組織変革には欠かせない要素だ。
結果として、3年計画を1年前倒し、
2年で全て達成するという素晴らしい成果を残した。

さらに印象的だったことは、
これだけの強いリーダーシップを発揮しながら、
決して経営陣が目標を現場に押し付けることなく、
多様性をいかに引き出すか、社員の持つ無限の可能性、
潜在能力をいかに引き出すかに重きを置いていたということだ。

そのために、CFTのチームメンバーを選ぶ上でも、
「志のある社員を選ぶ」と嘉悦社長はおっしゃった。

年次や役職に関係なく、前向きに会社に貢献したい、
社会に貢献したいと考える志の高い社員はどの組織にも必ずいる。
こうした社員を時に大胆に抜擢し、チャンスを与えることは、組織の活性化につながる。


さらに、目標設定をする上でも、
嘉悦社長は「共感を得られ、かつチャレンジングな目標」を設定するとおっしゃった。
嘉悦社長は日産のメソッドをマリノスに応用した際に、
観客動員数で2009年比+20%という目標設定をされた。
この数字は、かつて達成したことがある数字で、
社員は「あの時のイメージだ」と共通の認識を持つことができた。
同時に、+20%という目標は、何かイノベーションを生まないと
達成できない数字でもあった。

この絶妙な目標設定と、CFTによる経営革新を行ったことで、
短期間で55もの改善案が生まれたそうだ。
その実行の是非を1時間で決裁された嘉悦社長の決断力も目を見張るものがあった。
そして、結果として、前年比16%増という圧倒的な観客動員数を記録したのである。

経営者のコミットメントとリーダーシップ、
社員の多様性を生かし、潜在能力を引き出すこと、
現場の社員の共感を得られ、同時にチャレンジングな目標を設定すること。

どれも当たり前とも言えることである。
しかし、具体的な仕組みを作り、
「当たり前のことを特別熱心に、しかも徹底的にやる」という原理原則に則って
組織運営をされている実の話を聞くことができ、
アチーブメントの経営方針への確信を深めるとともに、
さらなるクォリティカンパニーに向けてのアイデアをたくさん得た
大変有意義な時間であった。

改めて、講師を務めていただいた嘉悦社長と、
お越しいただいた皆様に感謝をお伝えし、
本日のブログとする。

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