先日行った社員朝食会で、ある女性社員が聖書の引用を用いて質問をしてきた。
彼女が引用したのは、下記の一節だ。
「種を蒔く人が種蒔きに出かけた。
蒔いているとき、道ばたに落ちた種があった。
すると、人に踏みつけられ、空の鳥がそれを食べてしまった。
また、別の種は岩の上に落ち、生え出たが、
水分がなかったので、枯れてしまった。
また、別の種はいばらの真中に落ちた。
ところが、いばらもいっしょに生え出て、それを押しふさいでしまった。
また、別の種は良い地に落ち、生え出て、百倍の実を結んだ。
‐略‐
良い地に落ちるとは、こういう人たちのことです。
正しい、良い心でみことばを聞くと、
それをしっかりと守り、よく耐えて、実を結ばせるのです。
―ルカによる福音書 第8章」
彼女は昨年の4月に入社した、1年目の社員だが、
この一節を用いて、
「今私たちがすべきことは、種が育つような良い土壌を耕すことだと思っている。
どのようにしたら良い土壌を耕すことができるのか、教えて欲しい。」
という質問をしてきた。
この聖書の一節は非常に有名で、この一説はキリストに信仰に導かれてもこの世の誘惑や様々な肉の思いに負けてしまい、キリスト者としての信仰生活を継続することの難しさを説いて下さっていると自分なりに解釈しているが、個人的な信仰面とは切り離して、仕事生活分野において、ここでいう土壌とはその人自身の心の姿勢や考え方の質と捉えて説明をした。
ここでいう土壌が人の考え方や捉え方という前提に立つと、上司と部下の関係において親身になって上司が助言を与えても、部下の受けとめ方一つで上司の適切な助言も活かされることも活かされないこともあるということだ。
すなわち、上司がどんなに愛情を持って良いアドバイスをしてくれても、そのアドバイスを受ける側に採る心が無いと、そのアドバイスは心に届かずに実行に移されないこともあるのではないかということ。
又、別の表現をすれば「お客さまお一人お一人に対して、誠心誠意尽くし、全てのお客様が弊社の人材教育コンサルティングサービスを活用され、物心共に豊かな人生を実現していただけることの中に、私たちの存在意味や存在意義がある」という考え方を持って働くことが大切であるということを伝えた。
ナポレオンヒル博士は「成功に必要なものはたった一つ、それは健全な考え方がそれである」と言っているが、私も健全な考え方以上に大切なものはないと思っている。
何故ならば考え方が幸せ、不幸の解釈をつくっているからだ。
上司の助言にも部下として様々な解釈があるが、上司の助言は善意で捉えて感謝の心を持ち、その時できる最善の努力をすることが出世の秘訣である。
自分自身と自分の周りの人を大切にし、感謝と奉仕の心で誠心誠意、仕事に取り組むと自ずと道は拓かれてくる。
そして毎日、日々、最善を尽くし、そしてその生き方を楽しむことである。
明るく前向きに一生懸命努力していくと、好機がどんどん目の前に現れる。
好機は人との良い交流によって押し寄せてくるものだ。
「自分には出来なくても他の人には出来る、だから不可能はない」という健全な考え方をもって前向きに生きていくことが成功の秘訣だと思う。
つまり、ビジネス分野では積極的肯定的考え方こそが良い土壌であり、良い土壌に蒔かれた種は大きく成長し、消極的な思考に蒔かれた種は枯れてしまう。
では、具体的にどのようにして、考え方を育てるべきか。
1.良い書物をたくさん読み、感化されること。
2.前向きで積極的な人とできるだけ会話し、プラス思考出来るように発想トレーニングをすること。
3.言葉も徹底的にコントロールすること、すなわちマイナス言葉を使わないこと。
4.観察も物事のマイナス面ではなくプラス面の観点を持つようにトレーニングをすることが大切であるということ。
5.損得ではなく、本質的・長期的・客観的に物事を考え、
やるべきことだと思ったことを素直に実行すること。
6.朝早く起きて、目的目標を確認し、
その目標を実行する達成計画を立て実行すること。
この6項目が職業人として成長していく上で大変重要だと私は考え実行していると質問してくれた社員に伝えた。
以前読んだ文献に、
「人生における成功も失敗も85%はその人自身の心構えにより、そこから生まれる人間関係の質と量と相関関係にある」とあったが、心構えとは誠実で正直な人間としての在り方や生き方そのものだと思う。
そして、上記の言葉は真実であるということは、私自身のプロセールスマン時代から数えて35年間以上にも及ぶ、能力開発の人生でも確認してきたことである。
”目に見えないものが目にみえる現象を創りだしている”
この世の中は目に見えないものの方が価値がある。
目に見えないものから目に見えるあらゆる現象がつくられているということに一日も早く気付くことが大切だ。
では、積極的な心構えは何処から来るのか、それは期待から来るのである。
そして、期待は信念からつくられ、信念は健全な自己概念から生まれる。
さらに、自己概念は自己愛(セルフラブ)から生まれると考えている。
私の場合は、自己愛は神様に愛されているという確信から来ているが、一般的には親から愛された確信や家族から愛されているという確信が本質にあるのではないだろうか。
人間は自分を大切にすればするほど、良い人生を送ることができるものだ。
この世でうまくいかない殆どの人々は、自分や家族を大切にしていない人達である。
自分を大切にし、自分に縁ある人々を大切にして生きている人で不幸な人に会ったことはない。
愛を土台に生きていくことが幸せの条件である。
幸せや成功の輪を外側に広げていく活動をこれからも真剣に実行していきたいと決意を新たにした。
一度の人生二度ない人生を悔いなく生きていきたいと思う。
聖書を用いた質問に戸惑いを感じたが、信仰的な返事ではなく一般的な私なりの解釈をメンバーにメッセージしたが今日はそれを分かち合わせて頂いた。
日々、全てのことに感謝、感謝である。
コメントする