20年ぶりにPHP研究所 松下幸之助 資料室を訪問

今日は、20年ぶりに京都のPHP研究所を訪ねた。

経営理念研究本部の取締役本部長 佐藤悌二郎氏の著書を、
来年春に出させていただく予定があり、そのご挨拶を兼ねて
ご訪問させていただいたのだが、私が最も尊敬する、
偉大な経営者、松下電器産業(現パナソニック)の創業者である
松下幸之助氏の研究資料室にご案内いただいた。

3000にも及ぶ講演の記録と8000点以上の松下幸之助氏に関する
関連書籍の資料等、膨大な資料が保管されていた。

20年ほど前にも一度ご訪問させていただいたが、平成元年に
松下幸之助氏が亡くなった後も資料は確実に整備され、
さらに増えていっているとのことである。

松下幸之助氏の経営哲学を深く研究している佐藤悌二郎氏に、
「松下幸之助氏が経営者として大成功された最大の要因とは
何でしょうか?」と尋ねさせていただいたら以下の3点が
特に重要であると述べられた。

第一は、経営理念を組織の末端にまで浸透させ、そして
理念経営を徹底的に推進したことがまず第一番目の理由である。
これは松下幸之助氏が亡くなった後も延々と続いていくもので
あるということである。
国も学校も企業も人生もすべて経営であるという視点で捉え、
指導者はより良い価値観に人々を導き人々を物心共に
豊かな人生に導くことが経営の目的であるということだ。

二番目は”自然の法”に従い生きようと努められたということである。
”自然の法”に従い、何が正しいのか、原理原則ともいうべき
理に合った決断、判断、選択をしていかれるように常に努力された
ということである。
世の中には、ものの見方考え方が偏ったり、原則から外れた
考え方をする人が多いのも現実だが、松下幸之助氏はあくまでも
自然の原理原則に沿った意思決定が出来るように努められた
ということである。
一言でいえば合理ということなのだろう。

そして三番目は、人の中にある可能性を最大限に引き出すことが
できた方だということである。

創業間もない頃の松下電器は、決して良い人材が集まっていた
わけではないと。
これはどこの中小企業にも言えることであるが、その一人一人の
中に内在している可能性を最大限に引き出し、そして、その一人
一人の人達を育てることによって、会社を繁栄させていく能力を
松下幸之助翁はもっていらっしゃったということである。

そしてその根底にあるものは、深い人間愛に尽きるであろうと。
どうしたらこの人を成功させられるか」と、松下幸之助翁は
それを毎日、考えておられたということである。
人間に対する思いやりが最大の成功要因であるということを
再確認させていただいた。

そして、52歳の時には当時のお金で700万円以上のマイナスを
背負い、財閥解体の後、54歳までその動きが封じられ、
55歳から大きく会社を発展させ、そして84歳から松下政経塾を
お創りになり、94歳まで活動されたという。

1人の人間の一生ということを考えたときに、9歳で丁稚奉公から
始まり、ここまで本当に偉大な人生を送った松下幸之助翁を私は
心から尊敬申し上げる次第である。

私がこの世で最も尊敬する偉大な経営者の軌跡に触れることが
でき、本当に感謝の一日であった。

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