看護婦という仕事に従事している人で、自分の仕事に見通しがもてないと悩んでいる人にお目に
かかったことは無い。
それは今、目の前の人に尽くすことに焦点が合っているからだと思う。
以前、フジテレビのスーパーニュースという番組の中でタイムマネジメントの達人という紹介を
されたことがある。
ある特集で、五月病にかかっている若い女性のカウンセリングを行った。
クライアントは外資系の一流会社に勤めていて、周りから見ると随分恵まれた状況にあるが、
当の本人は“自分が本当にしたいことが出来ていない”という状態で、出来ればカウンセラーに
なりたいという願望を持ち、仕事が手につかない状況にあった。
私はテレビの中のタイムマネジメント・カウセリングで
「貴女が本当になりたいのはカウンセラーではない」
「貴女は職場でもっと重要感を得たいと思っていて、それが今、得られないことで悩んでいるの
です」と伝えた。
すると、本人もそれを認め、「これからは職場の中で同僚に貢献する生き方を選択し、
自分の価値を自分で承認できる生き方を選択していきます」という結論に落ち着いた。
このように、”求めるものと現実のギャップ”が悩みの本質である。
このクライアントは短時間で悩みから解放されたが、この世に悩みの無い人はいない。
大小の差はあっても、誰にでも悩みはある。
ただ、成功者はこの悩みで成長し発展する。
失敗者は悩みから回避し挫折を選択していく。
私の人生を振り返って、起業して20年、悩み苦しみの期間が少なくとも10年間以上はあった。
選択理論を学び、コントロールできることに焦点を合わせて生きていく技術を身につけ、今は
自分自身をコントロールできる状態になったが、なかなかセルフコントロールを体得することは
難しい。
社会を見てみると、先ほど述べたミッション型の仕事に従事している人は、損得を追っている
人よりも、比較的に迷いも悩みもなく、充実した人生をおくっているケースが多い。
そして、そういう人は人生を計画的に生きている。
看護婦という仕事は、昇進面だけで考えれば将来なれても、婦長さんまでかもしれないが、
仕事に生きがいを持っている人は、仕事を愛し、活き活きと明るく朗らかに、前向きに生きている
ものだ。
その理由は、目の前の患者さんのことを第一に考えて生きているからだと思う。
私もミッション(使命)に生きていく。
これからも一生涯ミッション(使命)に生きていく。
利益は目的ではなく結果である。
この言葉は綺麗ごとだと考える人が多いと思うが、専門職は貢献の結果、感謝されてその技術
ゆえに経済は後からついて来ている。
大切なことは人を喜ばせることである。
目先の損得に生きるのではなく
1) 本質的・・・自己の存在理由や理念から判断、選択して生きていく
2) 長期的・・・長期的な人生設計からみて判断、選択して生きていく
3) 客観的・・・客観的、複眼的な視点で判断、選択して生きていく
以上の三つの視点で物事を捉え判断し、誠実に着実に、一歩ずつ前進していくことが大切である。
“目先の損得に生きる人生”から、長期的な視点に立ち、“目的に生きる人生”を忘れないことだ。
目的に生きている人に五月病は無い。
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