日本国で二十世紀を代表する産業人を一人あげるとしたら、
私は松下電器の創業者である松下幸之助翁の名前をあげたい。
人はそれぞれの知覚があるので、あくまでもこれは私の選択だが、
9歳から丁稚奉公し世界の松下を創り上げた実績は理屈抜きに凄いことだと考えている。
松下幸之助翁のお書きになった書籍は全て熟読させていただいたが、
成功の原理原則を忠実に生きた方だと思う。
原則は学べてもそれを実践することは難しいものだ。
「成功とは目的を遂げること」と辞書にはあるが、
松下幸之助翁は目的に生きた方だと思う。
目標に生きることと、目的に生きることは違う。
目標は目的を果たすために達成すべき事項でしかない。
大切なのは目的に生きることである。
私たちは何のために、誰のために生きるのか、
人生の目的とは何か、深いテーマである。
松下幸之助翁は自分の命を昇華させ、結果として世のため人のためになる製品やサービスを沢山世に送り出し、
社会を豊かにし、社員も家族も自分に縁ある全ての人を幸福にした方だと思う。
このような生き方こそが私が理想とする真の成功者の生き方である。
自分自身の自己実現を追及し、結果的に世のため人のために
役立つ存在として社会に貢献していくことが産業人としての使命であろう。
ハーバード大学の研究にあるように、
「人生の成功も失敗も85%はその人の心構えの結果であり、
そこから生み出される人間関係の質と量でその人の人生は決まる」
ということである。
松下幸之助翁はお体が弱かったということだが、
それゆえに人を大切にし、人の協力を得られる仕組みを作られたのだと思う。
企業経営の目的を明確にし、その実現のために生きることによって、
多くの人がパワーパートナー(人生の共通の価値観、共通の理念を持った協力者)として事業に参画し、
理念経営を追求した結果、世界の松下に成長し松下幸之助翁ご自身も日本一の金持ちになった。
まさに「成功とは物心共に豊かな人生の実現である」ということである。
松下幸之助翁は人生の真の成功者として最後まで生きられた。
心から敬服と尊敬の念を感じる次第である。
私はいくら金を持っていても、
それだけでは簡単に人を尊敬はしない。
お金をどのように稼いでいるのか、又社会にどれだけ貢献しているか、
どれだけ人の役にたつ生き方をしているかという視点で人を見ている。
今、社会で起こっている現象をみると大切な理念が希薄になり、
目先の損得が判断基準になっている会社や個人が増えているようだ。
その結果、道を外す人も沢山出てきている。
道を踏み外すのは目的を忘れ、目標だけに生き、
短期的な視点で損得計算だけで判断し選択し、
行動するからである。
「人生の目的が変われば人生の質が変わる」
人生理念、人生ビジョンを土台に目標を設定し、
具体的な行動計画を立て、日々当たり前のことを当たり前に実践、
実行していくところに真のサクセスがある。
「思いあれば道開ける」
日々の実践を通して思いを現実化していこうではないか。
「成功とは社会正義に反することなく、
他の人々の基本的欲求充足の手助けをしながら、
自己の定めた目的、目標を自らの意志で達成していく道程である」
共に成功の人生を歩もう。
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