晴天の霹靂。
まさに晴天の霹靂である。
京都の着物たけうちが自己破産申請した。
ついこの間まで、飛ぶ鳥を落とす勢いで16年間、増収増益を積み上げてきた会社が、社会の風説や多重販売批判で倒産した。
竹内 實社長のことは分社経営の手法で、不況業種と言われていた着物業界において、確実に業績を伸ばしてこられた実績に敬意すら抱いていただけに、驚きと共に誠に残念なことである。
それにしても企業とはこれほど弱くもろい存在なのか、そして社会の中で環境適応していくことがいかに大切なことなのかを肝に銘じさせられる倒産劇である。
倒産には説明は要らない。
結論は終わりである。
分社経営の手法は間違っていたとは今でも思わないが、着物業界に対する社会の風評までは計算に入れることが出来なかったのだろう。
着物文化を大切にしていこうとする理念や、若い人を育てる分社経営の手法は間違っていなかっただけに残念でならない。
夢を持ち、真面目に働いてきた社員の方々にも、同情の気持ちで一杯である。
現時点では会社に裏切られたという気持ちを抱いていることだろう。
経営は情報化社会の到来で、ブランディング戦略からレプティション(評判、風評)戦略に明らかに移っている。
風評は虚だがこの風評が企業の存続まで決定する時代が来たということである。
情報化社会においては、「情報こそ企業の命運を握っている鍵である」ということを再確認しなければならない。
経営者は「会社の真の支配者は顧客である」ということを決して忘れてはならないということだ。
顧客第一主義の追求こそ企業存続の絶対条件であると私は考える。
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